2.電子マネーとは

電子マネーとは、その名の通り「電子化されたお金」である。おそらくは一枚のカード形式とされ、簡単に持ち運びすることが出来る。つまり、普段持ち歩いている財布の中身、お札と小銭が一枚のカードになり、小銭で一杯になって膨らんでしまう財布が、定期入れの大きさのままで持ち歩けるのである。

そもそも、貨幣というものの概念について原点に返って考え直してみよう。現在流通している貨幣というのは、言ってみればただの紙と安価な金属である。昔々は貝が用いられていたが、そのうち金貨や銀貨など希少金属が用いられ、その後ただの紙を価値があるものと定義して現在の紙幣が流通している。現在の貨幣から電子マネーに移行する際には、人々はこのことを頭に入れておくべきである。

通貨の持つ三つの性質として、決済手段になりうること、価値を比較する基準になりうること、価値の保存手段になりうることが挙げられる。

まずは技術的な話の前に、普段何気なく使っているが現金について、真面目に考えてみる。

現金の利点と問題点

このように、現金は利点と欠点を持ち合わせている。電子マネーは、既存の現金の長所をそのまま持ち、またその短所を解消することが期待されている。

また、もうひとつの利点として買い物や取り引きをした時に発生する代金を清算する決済を現金のやり取りではなく、お金の価値を情報としてネットワーク上で処理することが出来るようになることである。これが「電子決済」である。
日本では、公共料金の自動引き落としなどは多機能なATMによって早くから実現されていたが、ヨーロッパでは共同体内のそれぞれの国の通貨が異なることによる手間の解消、アメリカでは小切手の取り扱いの合理化を目指し、電子決済への要求が強くなっている。詳細はElectoric Commarceの担当者にお任せすることにする。

このように、電子マネーは各国内経済だけでなく世界規模の経済の活性化や個人のライフスタイルを大きく変えることになるであろう技術である。


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