6.感想
1. はじめに
従来WWW(ウェブ)では、情報はURLを自分でブラウザに入力して自分からネット上を自在に移動して得ることができるようになっています。これはある情報を世界中のコンピュータから探し出す場合にはとても便利なしくみですといえます。しかし、現在個人サイトも含め、多くの情報がWWW上に乗っており、その中で情報を入手するには探すのが困難など不便なものが出てきました。そこで、ユーザが選択した情報をインターネット経由で、自動的に送り届ける技術が現れました。それをプッシュ配信といいます。
2.プッシュ配信とは
従来のようにクライアントが情報を引き出す(プル)必要がなく、ユーザが操作しなくてもサーバ側から自動的に情報をクライアントに送る技術をプッシュといいます。新聞、テレビ、ラジオのような即時性の ある情報などには従来はそのたびにアクセスして情報を得なければなりませんでしたが、プッシュ配信では、その必要はなく、サーバのほうから自動的にクライアントのほうに送られてくるので、最新の情報をアクセスすることなく直ちに受け取ることができます。情報を探す時間や手間が省けるということで大変役に立つシステムといえます。
3.プッシュ配信の技術/構成
3−1 プッシュ配信のしくみ
プッシュ配信は図1に示すように情報を配信するサーバ側がコンテンツ作成ソフトなどを用いて配信するための情報を作り上げます。そして、配信ソフトを使って受信をするクライアント側に情報を送信します。受信をするクライアント側は、専用の受信ソフトを用いてその情報を受け取ります。つまり情報を受け取るほうは受信ソフトを用いるだけで情報を受け取ることができるので面倒なことはないので、すぐに始めることができ便利です。
図1 アプリケーションやコンテンツの配信のしくみ
3−2 プッシュとプルの比較
プッシュとプルを比較しますと、プルは最新情報が得たければ更新されていなくても何回もアクセスして確かめ続けなければいけないのですが、プッシュは更新されたかどうか比較して最新のものでなければ自動的に更新することができます。またプッシュはブラウズを必要としないという利点もあります。
3−3 プッシュ配信の種類
プッシュ配信には次のような2つの種類が考えられています。
サーバ主導型プッシュ
クライアント主導型プッシュ サーバ主導型プッシュとは接続されているクライアントにサーバから必要時に送り込むものでクライアントを管理する必要があるため大規模に配信する場合よりも更新情報をリアルに配信する場合に必須の方法です。逆にクライアント主導型プッシュと言うものはネットサーフの延長上の技術であり、クライアントから自動(定期的)にサーバーに情報を要求して情報を取り込む方法です。この方法は広範囲に情報を配信する必要があり、情報の更新頻度が低い場合などは最適な方法といえます。
4. プッシュ配信の現在
4−1 プッシュ配信の用途
現在、大きく分けて3種類の形態でプッシュ配信の利用が進んでいます。
情報配信 ソフトウェア配信 ドキュメント配信 情報配信は主にニュースなどの提供をおこなっています。ソフトウェア配信はソフトウェアのアップデートなどを行い、ドキュメント配信はドキュメントや業務データなどを配信するものです。
4−2 既存の製品について
現在、日本で出荷されているおもなプッシュ製品は次の5つがあげられます。
BackWeb Ver2.1 Point Cast Castanet Tuner Active Channel Netcaster 特徴を少しせつめいしますと、Back Web Ver2.1は回線の空きを自動検地することができます。そしてダウンロードのレジューム化がはかられています。Point Castは表示にスクリーンセーバなど活用しており、米国版があります。Castanet Tunerはコンテンツそのものの配信の効率化をしており、Javaのプログラム配信に威力を発揮します。Active ChannelはCDFで配信スケジュールなどを記述しています。NetCasterはnetscape社のナビゲータ4.0の新しい機能として提供されています。そして Javascripとの親和性に優れています。
4−3 プッシュ配信の問題点
サーバ主導型プッシュの時は、情報がいっせいに送り込まれてくるためイントラネット上でトラフィックがおこります。クライアント主導型プッシュのときは、クライアントのポーリングの間隔(更新の間隔)によりトラフィックが起こります。またプッシュ型情報のネットワーク使用による既存の作業効率の低下があげられます。
4−4 トラフィック対策
ユーザの対策 : 購読するコンテンツの選択 システム管理者の対策 : 専用キャッシュサーバの設置 チャネル提供者の対策 : 配信のタイミングをずらす システム管理者の対策
ポイントキャストはダウンロードを高速化するためにデータを圧縮して配信している。これは、ダイアルアップ接続のユーザには便利だが、企業のインターネット・トラフィックの問題解決には、あまり役に立たない。複数のユーザが同じデータを引き出していても、圧縮した形では、別々のデータとして扱われるため、専用線環境では一般的なキャッシュ・サーバでのヒット率が5%ほど落ちてしまうからだ。
ポイントキャストはこうした問題を解決するため「point Cashing Manager」という専用のキャッシュ・サーバを開発した。これの動きを説明する。(a)1回目のリクエスト
@ クライアントからCashing Managerにリクエストをする。
A Cashing Managerにデータがないので、インターネットを経由して配信サービスまで取りに行く。
B 配信されたデータはCashing Managerに貯蓄される。
C そして、クライアントに届く。(b)2回目以降のリクエスト
@ クライアントからCashing Managerにリクエストをする。
A Cashing Managerから(データが残っているので)とどける。これにより、2回目以降のリクエストでは、(A)でインターネット上をデータが通らないので、トラフィックが80%削減できる。
図3 Point Cashing Managerの概念図
チャネル提供者の対策: 配信のタイミングをずらす
特定の時間帯にアクセスを集中させないためには、配信のタイミングをずらすことが有効である。ポイントキャストは、インターネットによるデータ配信を一個所に集中配置しており、コンテンツごとにトラフィックを制御している。BackWeb Channel Server3.0ではトラフィックの総量をコントロールできるようにトラフィックを細かく制御している。
図4は、 IE4のActive Channelによるプッシュのしくみである。@チャネル購読時にコンテンツ提供者がWWWサーバに設置したCDFファイルをIE4が取得する。
ACDFに記述されたスケジュールとチャネルの階層構造に基づいてIE4が配信サーバにHTTPリクエストを出す。
B取得したHTTLファイルをIE4が解釈しチャネルとして表示する。 というしくみになっている。チャネル提供者は、視聴者の利便性とトラフィックの双方を考慮して、配信スケジュールを設定することが重要になる。
図4 IE4のActive Channelによるスケジューリングのしくみ
4−5 今後の展望
プッシュ型配信を普及させていくためには次の2つに留意する必要があるでしょう。それは、第一にシステムがクローズドであってはいけないということです。”○○でしか使えない”など閉鎖的では、利用者のニーズはなかなか吸引できないでしょう。第二に既存のメディアで提供しているものとの差異化を図っていく事です。単に従来と同じ情報が電子的に入手できるというだけでは、利用はなかなか促進されないでしょう。
速報性(流通のタイムラグが無い)、詳報性(紙面という制約が無い)、マルチメディア性(カラー写真、動画、音声が使え、他の情報を参照できるハイパーリンクも可能になる)といった、電子化のメリットを活かした形で差異化をはかっていかなければ、プッシュ配信の電子メディアでの成功は容易ではないでしょう。
5. 考察
私たちはこれまでプッシュ配信の技術について説明してきましたが、この技術はインターネット常時接続のときに更新情報をいち早く受け取ることができるので、もっとも効果的になります。しかしインターネット常時接続というのは家庭などでは到底できるものではありません。いつでも端末をたちあげているわけでもありません。コンピュータが家庭のレベルまで普及してきた現在、家庭の端末にもっとこの技術を使ってもらうには、工夫が必要だと思います。この技術の応用で、みなが見るテレビなどに地震情報のように知りたい情報が出てくるなどこれからも問題は多くあると思います。
6. 感想
このテーマを調べていくうちに、プッシュ配信が少し不人気であることがわかったが、最新の好きな情報が入手できるので、工夫しだいでは、まだまだ発展していくと思う。だが、ネットサーフィンすることで、関連するいろんな情報にふれることもよいことなので、興味ある情報を入手する一つの手段として、プッシュ配信を利用してみようとおもいました。ふにふに くんかくんか!