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6−1.ダイヤルアップIPサービスの選択の仕方 |
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日本のISPのほとんどが、ダイヤルアップIP接続と、個人用メールボックスやNetNews、WWWへのアクセスを提供するという似たようなサービスを行っている。サービス選択の際に、会員数の多さ、つまり人気だけでISPを判断するのは問題がある。インターネットのサービスは、特定のISPに限られたサービスに強く拘束されることはない。どのISPを使ってもある程度同等のサービスを受けられるのがインターネットの魅力である。大事なのは、コストが安く、いつでも使えて、信頼性が高いという半ば当たり前のことが実現されているかどうかが重要になる。しかし、これらを判断するのは、容易ではない。 コストの安さと、いつでも使えるかという2つの要素は、しばしば互いに矛盾する。一般の電話やISDNといった公衆回線を使っている限り、同時にアクセスできる利用者の数には限界があるからである。コストの安いISPには利用者が多く1回あたりの通信時間が長いという傾向がある。また、設備投資が十分できていないISPの場合、契約者数に比べて回線数が少ない傾向が見られるようである。インターネットサービスは電力供給事業と同様に、供給する側は常に最大負荷の状況を想定して回線容量を設定しておく必要がある。そのためのコストをきちんと見積もっていないISPは、大きな不安材料をかかえているといえる。 深夜にISPに接続できにくくなることは、NTTが深夜(午後11時〜午前8時)専用の定額利用サービス(テレホーダイ)を導入してからますます顕著になっている。現在かなりのISPが上限を定めた定額制を採用しているが、これとテレホーダイを組み合わせると、深夜に限定されるが利用時間の制限のない利用環境を得ることができる。しかし、このような利用の増加は、ISP側の負荷を著しく増大させることにもつながる。回線の混み具合を考えると、あえて定額制のISPを使わず、従量制のISPを使うという考え方も成立する。 | ||