xDSL技術は、伝送路として既存の電話回線をそのまま使用する。電話回線では音声を伝送する周波数帯域は4kHz以下なので、データ信号の伝送にはこれとは別の帯域(80kHz以上)を割り当てるわけだ。これにより、xDSLモデムさえ接続すれば通常の電話、FAXと、インターネット同時利用が可能になる。同時利用といえば、
現在普及しているISDNでも可能だが、ISDNは2回線を用意しているので厳密には同時利用ではない。これに対し、xDSLは1回線のみで実現している点が優れている。
ただし、これを実現するには伝送信号の中から音声信号とデータ信号を分離するスプリッタと呼ばれる装置が必要になる。スプリッタは音声信号の低周波数成分とデータ信号の高周波数成分を分ける。実際には、電話線の両端にこのスプリッタをつなぎ、その後ろにxDSLモデムを接続する構成である(図参照)。 |