1-7 情報化による家庭への影響〜家庭の情報システム化〜
石畑ゼミナール:
責任者:新堀善丈
参加者:小谷慶彰、韮澤和哉、藤森岳彦、鵜澤秀明、志村康司、中溝私歌、五十嵐 篤史、八住雄太
- まえがき
もともと電子計算機としてコンピューターが生まれた頃は、情報化などという言葉は想像もつかなかったでしょう。せいぜい難しい物理計算を行う「機械」であるという認識が当時の一般的な認識であったに違いありません。しかし、そのコンピューターの普及によって、今や世界がつながるネットワークが生まれました。このネットワークは人間社会のあらゆる所に浸透し、人々の生活を支える重要な基盤となりました。また、携帯電話などのモバイルの普及で、さらにこのネットワークを様々な形式で利用できるようになりました。
ここではますます広がっていくネットワークと、情報化社会がもたらす影響を、「家庭」という、人々が生活をしていく上で最も基本的で重要な場所に焦点を当てて、今後の展望や課題について考えてみようと思います。
- 未来の予想
家庭が情報技術に求めるのは、ゆとりと豊かさなので、そのためには住空間等の高度化を図り、新しい生活様式を提案していく事が必要とされます。
それには、情報技術およびその技術を活用したサービス・コンテンツが一体となった情報システムが必要不可欠となってきます。近未来の家庭の情報環境は、デジタル化、モバイル化、ネットワーク化の3つの潮流の中から現われます。この3つの技術に牽引された高度に情報化が進んだ未来の家庭像からは、
情報化が様々な問題を抱えるにしろ、家庭に浸透し、不可欠なものとして活躍し、定着していく姿が想定できます。ここで重要なのは、ITは、従来技術に比べて強大で主体的な情報発信力を個人に与えるものであるということなのです。
今後情報化が進めば、公共サービス、教育、娯楽、福祉、医療、旅行、ビジネス等のサービスがすべて家庭で受けられるようになるでしょう。
例えば、医療の面では双方向の映像送受信を行い、その場の状態を正確に伝え、適切な応急処置の仕方、対応の仕方を伝えられるようにしたり、福祉の面では24時間体制での老人介護などです。あるいは将来的に情報システムが家庭生活に欠かせないものとなれば、家庭内における情報システムは電話の通話料金・水道の水道料金と同様に情報システムの使用による料金「情報システム料金」なるものが登場するかもしれません。
このように、現在多くの家庭で普及しているインターネットを使ったものに留まらず、家にいながらサービスを受けるために、より分かりやすく使いやすい専用の情報端末ができると思われます。さらに、コンピュータによる管理が一般化するわけですから、24時間、ほぼ毎日動作させても大丈夫なものでなければいけません。
- 課題
情報化によって、家からいろいろなサービスを受ける事ができることは、非常に便利ではありますが、そのためには様々な障害があります。
家族が情報化されたシステムをうまく使いこなせるために、コンピューターの操作性が柔軟である必要があります。一般の人でさえ操作の難しいものなのですから、高齢者は例え情報端末を与えられたとしても、うまく操作できない可能性が高いです。やはり、情報化が家庭に浸透する、というのは、高齢者にも情報技術が活用できて始めて言えるだし、何かと不自由の多い高齢者こそこの恩恵を受けるべき人々であると思うので、このような方々でも簡単に使いこなせるような仕組みにする必要があります。しかし、簡単にし過ぎると、重要な手続きも簡単化するようなことになってしまうので、そのあたりの調整が難しいところです。
また、各家庭に情報システムが構築されるようになると、電気・水道等のようにシステムの保守・管理が重要となってきます。将来、家庭内に電気・水道と同様当たり前のように情報システムが使用されるようになって、もし停電、地震、火事、落雷などでシステムダウン、その他その情報システムに支障が出るような事態になれば、重要な手続きが出来なくなったり、自分たちの全く知らないところで勝手に手続きがなされたり、深刻な事態を招いてしまいます。それを防ぐためにも、情報システムの構築を完全なものとし、家庭の情報システムの管理者を育成していかなければならないと思います。
これまでは情報化が家庭に及ぼす利便性についてのみ考えてきましたが、害もあると思われます。というよりむしろ情報化によって得られるものより失うものの方が多いという可能性も無くはありません。ここで始めに考えられるのが人間そのものについて与える影響ですが、これは「家庭」というテーマを逸してしまうので、「個人」の方で語らせてもらって、テーマに沿った問題についてだけ述べます。
そもそも家庭というのは、家族があって、その中での団欒やコミュニケーションが非常に大切な役割を果たしているものだと思うのですが、情報化が進む余りに家族との関わりよりもむしろ、わかりやすく言えばパソコンとの関わりの方が多くなってしまうという事です。これは別にパソコンだけの問題ではないですが。
- 考察
以上のことより、情報化が家庭に与える影響は少なからず大きい事が分かりました。
さらにそれは良い面も悪い面もあるもので、使い方によっては毒にも薬にもなりえるというわけですが、私たちの生活を豊かにしてくれる事は間違いないので、今後の情報技術の発展に多いに期待して良いといえるでしょう。