1バイオメトリックス――静脈を用いた個人認証
2バイオメトリックス――サイン認証
1.バイオメトリックス―――静脈を用いた個人認証
概要
現在、個人認証はいたる所で使われるようになり、その中でもバイオメトリックス(人の生体情報を用いた個人認証)をよく耳にするようになってきました。2002年8月28日、株式会社富士通研究所は、手のひらの静脈パターンを用いて個人認証をするシステムを開発した事を発表しました。このシステムは実験の結果、約700人を登録し、等価エラー率(本人を認識しないエラー率と他人を認識してしまうエラー率が等しいもの)を0.5%以下まで識別する能力を持つことができるようになっています。
個人認証の過程
・手のひらに近赤外線を照射する。
・皮下組織中の静脈部分のみ映し出されるので、それを撮影する。
・撮影した画像から静脈パターンを抽出する。
・先に登録していたパターンと照合する。
利点
・静脈のパターンは胎内で決まったあと大きさが変わる以外、一生不変である。
・一人一人異なり、双子でも異なる。
・盗まれることがない。
欠点
・血行の良し悪し、血圧等で認識されないのではないか?
・200回に1回という誤認率は多いのではないか?
展望
この富士通研究所ではマウスにスキャナをつけての個人認証を既に可能としているので、ハード面での大きさにはあまり気にせず使用する事ができると思われる。近い将来、現在の指紋認証のようにいたるところで違和感なく実用化でき事が期待されます。いずれスキャナの形がいろいろ変えられるようになれば、手で使う道具に装着することで作業と並列に個人認証出来るようになるかもしれません。
2.バイオメトリックス―――サイン認証
概要
最も古くからある個人認証として筆跡があります。人のサインというものは自分の意思での決定であることを証明する良い方法のひとつです。それをコンピュータ上で行うのが動的署名照合システムです。日本サイバーサインによる、このシステムはサインの形、書くスピード、ストロークや筆圧などの筆記運動の癖を三次元系列情報化し、保管、照合するといったものです。スピードやペンの空中での動作、筆圧なども認証に利用するため偽造は難ようです。又、サインの経年変化(書き癖の変化)を吸収、反映する学習機能や、データのコピー防止のために極めて一致するサインを排除するなどの特徴があるそうです。
個人認証の過程・機能
・携帯端末の画面にサインする。
・入力したサインを画面に表示する。
・入力したサインのデータを利用者ごとに登録する。
・登録されておいたサインのデータと入力されたものとを照合する。
・電源を入れるときとパソコンとの同期時にサイン認証により携帯端末の操作を保護する機能。
・登録サインを忘れたり指の怪我をした時などのアクシデントに備える機能。
・サインごとの本人の差のために適当なしきいを決められる機能。
利点
・概要でふれましたが、生体情報そのものを用いるのでなく、自分の意思で動作をするので安全度が増します。
欠点
・精神状態で左右されやすい。(慌てている時など、普段通りサインできるか。)
・新たに他にハードが必要になり携帯が面倒。
・書き慣れないものをサインとしてしまうとサイン毎の差が大きくなる可能性がある。
展望
この個人認証は不確定な部分が大きい。しかしサインの個人差も大きくなると思うので、照会がある程度容易に出来、データ量も少なくすむと思います。よって大勢の人が使用する場合に使われるのではないかと思います。また指紋などの生体情報そのものと異なり、たとえデータ化されたサインが盗まれたとしても文字を変えることで簡単に対応できむので、多くの場面で利用されるようになると思います。
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