コピーコントロールCD(CCCD)
向殿ゼミ

責任者 室谷 俊介
参加者 菊地 俊之、宮川 智弘、深田 昌敬
岡本 武史、須藤 淳史



CCCDとは

パソコンを経由したCD−Rへの過度の複製行為や、著作権侵害であるネットワークへの音楽ファイルのアップロード行為を防ぐために開発された技術。
具体的には、TOC(Table Of Contents)と呼ばれるデータの位置情報を記録した目次の部分をわざと間違えた情報にしたり、音楽データ部にわざとノイズを混入させることで、CD-ROMドライブで正常に読み出せなくするといったことをやっている。
CDの規格にはコピーコントロールの技術は含まれておらず、そのためこれらはCompactDiscのマークがどこにもついていない。代わりにCCCDのマークがついている。


CCCDの種類
・カクタス・データ・シールド(CDS)

ミッドバー社が開発した現在でもっとも普及しているコピーコントロール技術。
エイベックス、ソニーもこの方式を採用している。
通常のCDプレーヤーで再生可能、MDへの録音も可能。パソコンでもCDを入れると専用プレーヤーがインストールされ再生るので再生可能。このとき再生されるのはあらかじめ収録された圧縮音声になる。
技術的にはTOCが実際と異なっていて(-1トラックからスタートする)、CD-ROMドライブなどのTOCを読んで再生するような機種ではオーディオトラックが再生できないようになり、その代わり収録されているエクストラ部にはWindows上で再生できる専用プレーヤーが収録されている。
この技術はCDS100、CDS200,CDS300の3レベルに分けられる。再生は100はCDプレーヤーのみ、200ではプラス一部のCD、DVD-ROMドライブ。300はまだ新しい技術でインターネット上で個人認証を行い、CD内の著作権管理の細工を施されたデジタル音楽ファイルをパソコンのハードにコピーできるようにするというもの。ソニー・ミュージックエンタテイメント(SCE)ではCDSを採用しており、ネットワーク認証も導入する予定だが、技術がCDS300で予定されたものと異なるためCDS300ではない。



・メディアクロック(MediaCloQ)

サンコム社が開発したコピーコントロール技術。
通常のCDプレーヤーでの再生はできるが、CD-R、CD-RWで複製を作ったり、MP3にエンコードしようとすると拒否される。オーディオの部分には手を加えないで曲目、データ部を利用しているので再生に問題はないと開発側は主張している。
また、正規のユーザーがデジタル音楽ファイルを入手できるようにダウンロードサイトを設けている。そのファイルはSDMI準拠のプレーヤーで再生できる。ただ、ダウンロードするにも個人情報を入力する必要があるため、アメリカでプライバシー上の訴訟が起こり、現在はこのダウンロードサイトもなくなっているらしい。



・キー2オーディオ

SONY DADC Austria社が開発したコピーコントロール技術。
通常のCDプレーヤーで再生できるが、CD-Rへのコピーやハードディスクへの保存もできず、パソコンでの再生もできない。
マックOSのパソコンではドライブに入れると取り出すことができなくなる、という問題もある。
最近の情報ではSONYはCDSを採用するようなのでこちらの方式からは手を引いたのかもしれない。



・Safe Audio

マクロビジョン社が開発したコピーコントロール技術。
CD-ROMドライブに対して非常に多くのエラーがあると見せかけて、CD-ROMの読み込みエラー訂正機能エラー・コレクション・コード(ECC)を働かせることで再生を妨害する。通常のCDプレーヤーにはECCはついていないので問題なく再生できる。



問題点
・レッドブック規格外

音楽CDの規格である「レッドブック」に準拠していないので、再生できない音楽CDプレイヤー、ゲーム機、DVD、カーナビなどが存在する。また、一部のCDプレーヤーやCDラジカセなどの再生されるべき機器で再生できない可能性が指摘されている。CD規格のライセンサーであるソニーは、レッドブックに準拠していないのであればそれを明示し、「再生できないケースがある」ということを明確に表示するようにといっている。この件について、avex側はCD-DAのロゴを付けず、コピーコントロール付きCDであることを印刷したシールを貼って対応している。

・再生できない場合の対処

既にCCCD技術を用いている海外では、再生を行えないなどのケースでは、対策を施したCDを回収したり、返金するなどの対応を行っている。CDの交換を行うとしても、CCCDを交換しても意味が無いし、コピーコントロール技術のついていないCDと交換してしまうと保護技術の意味が無くなってしまう。返金に応じるとなると、複製を防止して売上を伸ばそうとしたのにかえって現象に繋がる可能性もある。この件についてavexは、返金はしないとしている。

・私的使用のための複製

著作権法によると、基本的に個人や家庭内などに限られた範囲内で使用する場合という前提において、著作権者に許諾を得ることなく著作物の複製を認める、とある。しかし時代に合わせ著作権法も改正され、現在ではいくつかの例外規定が盛り込まれている。中でも今回のコピーコントロール付きCDとの間で問題となるのが「技術的保護手段の回避」に関する例外規定である。この規定は、技術的保護手段がなされている著作物から防止している行為を可能としたり、複製を行うことを私的使用目的の複製から除外する、というものである。
つまりは、ガードされているものを取り除いて複製すると違法だ、ということである。  これによると、PCのハードディスクに音楽ファイルを保存する行為も違法となってしまう。

・音質が悪い

CCCDのようなCDをプレスすると読みづらいためプレーヤーに負担がかかる。そうすると信号が乱れて音も悪くなる。また多少のノイズなら修正して再生していたのに意図的にデータ部にノイズを入れたりしているためその量に対応しきれずに音が崩れてしまうなど。

・効果がない

実際にはプロテクトとしての効果は薄く、4割程度のドライブ、ソフトに対してはあまり効果がなく普通にエンコードができてしまう。実際にネットにはプロテクトのかかっているはずの音楽CDデータファイルが出回っているようだ。

・ドライブ破壊

プロテクトの方法がエラーを過剰に増やしたり、再生個所をずらしたりと正規の方法ではない。専門家の間では禁じ手とされている方法も多く採用しているようだ。そのため負担が増し、ドライブへの影響はよくないようだ。

参考文献
[1]米で著作権保護機能付きオーディオCDが登場
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2001/03/30/66.html
[2]ZDNetNews
http://www.zdnet.co.jp/news/0203/13/cdswhy.html
[3]コピーコントロールCDって何? 
http://www.tdk.co.jp/tjchf01/chf39100.htm
[4]CCCDについて
http://www.jvcmusic.co.jp/cccd/
[5]ZDNNコピーコントロール機能付きCD
http://www.zdnet.co.jp/news/0203/04/protectcd_m.html
[6]About CCCD
http://www.avexnet.or.jp/cccd/
[7]ソフトバンク
http://www.softbankpub.co.jp/