(2)ATOS(東京圏輸送管理システム)
東日本旅客鉄道(JR東日本)の運行管理システムで「Autonomous Decentralized
Transport Operation Control System」の略。このシステムは、JR東日本と日立製作所で共同開発されたもので、首都圏の超過密ダイヤを輸送指令室で一括制御するため、ダイヤ改正や車両支障、自然災害などによる遅延や運休などにも素早く対応できる。
JR東日本の首都圏の17線区のうち、中央線、山手線、京浜東北線、総武線、横須賀線、東海道線で導入されている。
ATOSの導入により、首都圏の列車運行管理における、指令員の業務軽減と業務効率化、駅の業務の省力化と安全性の確保、旅客へのきめ細かな情報サービスの提供を図ることができる。遅延の場合にも、短時間で定時運転に復旧させ、旅客案内も回復運転中は自動的に対応できる。
ATOSは、首都圏の17線区、約300駅が対象で、ネットワークに接続される際には、段階的な運用の開始が必要だし、ネットワークがダウンしてしまった時の社会的影響度を考えて、各駅にコンピュータを配置して駅が単独でも制御できる構成となっている。各駅と駅を統括する中央装置を大容量の光ファイバーによる制御用WANで接続し、自律分散型アーキテクチャーが採用されている。