Microsoft .NET

【マイクロソフト・ドット・ネット】

 

 


○マイクロソフトによる次世代インターネットビジョン

 「Microsoft .NET」とは、インターネットベースのコンピューティングと通信を活用し、インターネットプロトコルおよびフォーマットを介して、さまざまなデバイスとWebサイトを高度なソフトウェアと結び付けることで、より容易にパーソナル化され、生産性の向上したインターネット環境を提供するもの。

言い換えると、

 すべての情報機器がインターネットに接続されることを前提として、従来のような単体としてのコンピュータではなく、インターネット全体に分散配置されたアプリケーションやデータを、必要に応じて情報機器で柔軟に利用可能にする。

 

 これまではNGWS(Next Generation Windows Services)と呼ばれていたが、「Windows環境を越えるビジョン」であることから「Windows」という名称を取り除き、このように命名された。「.NET」は、次世代インターネット環境を構築し、インターネットデバイスを開発するための開発者向けソフトウェアを備えている。また、マイクロソフトは、次世代OS、インターネットサービスネットワーク、および開発システムなど、.NETプラットフォーム上で開発される新製品の計画を発表した。

 

 

.NETの4つの基本原理

                     向上したユーザー環境による個人情報管理:インターネットがよりパーソナル化するにつれて、消費者はプライバシーを策定し、管理できる ソフトウェアを求めるようになる。マイクロソフトは、次世代ソフトウェアの基盤技術として、Microsoft Passportを含む革新的なプライバシー保護技術を開発しており、これにより顧客は自らインターネット環境を管理できるようになる。マイクロソフトは、消費者がさまざまなサイトで入力している個人情報のアクセス、閲覧、および削除が行える個人情報エージェントをホスト管理します。

                     使いやすさと簡略性:コンピュータと通信両面の豊富さを独自に活用したインターネット用分散処理モデルを介して、顧客にソフトウェアを継続的にを配布することができる。

                     インターネット標準:デバイスとサービス間の対話を実現する上でIPおよび標準を採用しており、特にXML(Extensible Markup Language)に準拠しています。

                     ビジネスの統合と事業機会:数百万人の開発者が、インターネット サービス およびビジネスを容易に構築するだけでなく、それらのサービスやビジネスをビジネス パートナーや顧客に直接、結び付ける機会を創出する。

 

 

.NETプラットフォーム

 新しい.NETプラットフォームは、以下の技術で構成されている。

                     .NET User Experience:次世代のユーザー環境を構築する新しい技術群で、新しいUniversal Canvas XMLベースの複合情報アーキテクチャ。

                     .NETインフラとツール:XMLベースのプログラミングモデルを新たに実装し、開発者によるWebサービスの構築、配布、統合、動作、および結合を支援。開発者用ツールセットの新バージョンであるVisual Studio 7.0は、Visual Basic_開発システム利用開発者を含め、XMLベースのWebサービス開発に必要な包括的で生産性の高いサポートを提供する。

                     .NET Building Block Service:スタンドアローンのマシンで、企業のデータセンターとして、またインターネット上で動作する高度でプログラム可能な分散型開発サービスの新ファミリ。提供されるサービスには、認証、通知とメッセージング、個人機能、スキーム化ストレージ、カレンダー、ディレクトリ、サーチ、およびソフトウェア配布を含む。

 

 XMLなどのインターネット標準規格を使用したシステムの相互接続、ユーザーと開発者両方の環境向上、および最初となるインターネット向けの高度な分散型サービスのアーキテクチャの導入を実現している。またフェデレーションプロセスによるローカルマシン、企業のデータセンター、インターネットサービス間の透過性を実現したアプリケーションも使用している。これらの点で、NETプラットフォームは画期的と言える。

 

 

マイクロソフト.NET製品およびサービス

 これらの主要なプラットフォーム テクノロジーに加えて、マイクロソフトは、次のような.NET製品やサービスを提供する予定である。

 

                     Windows.NET Windows .NETは次世代のWindowsである。Windows.NETは生産性、創造性、管理、エンターテインメント、その他多くの側面を支援する製品で、ユーザーがそれぞれのデジタル生活をコントロールすることができるように設計されている。Windows.NETはセルフサポーティングで、ユーザーの必要に応じて、継続的にサポートと更新を提供するサービスを特徴としている。マイクロソフトは.NETサービスのないWindowsプラットフォームに対しても、サポートを提供する。

                     MSN.NET MSN.NETは次世代インターネットの最初の一般ユーザー向けサービスを提供する。MSN.NETは、MSNの最新のコンテンツとサービスに新たな.NETプラットフォームを組み合わせるもので、これにより消費者は独自のデジタル パーソナリティーを作りあげ、安全に、情報やエンターテインメントおよび相手に、時間も場所もデバイスも関係なくアクセスすることが可能。

                     一般ユーザー向け購読サービス MSN.NETサービスに加えて、マイクロソフトは.NETプラットフォームに基づいて、幅広い消費者志向の.NETサービスを築くことを予定。このサービスは、従来のデスクトップ アプリケーションに、新たな.NETユーザーサービスの柔軟性、統合性、ローミング サポートを付加するもの。

                     Office.NET マイクロソフトは、21世紀の知的労働者のニーズに応えることを目的とした、将来の生産性と通信サービスとしてOffice.NETを発表。新たなインターフェイスにより、顧客はより簡便にサービスを利用することができる。新たなアーキテクチャは優れたクライアントとサービスに基づき、豊かな機能性、パフォーマンス、自動導入が可能。ユニバーサル コラボレーション サービスにより、誰でも社内外の人と共同で作業をすることができる。

                     Visual Studio.NET これは、「MSDN(TM)」開発者向けサービスおよびWindows DNA 2000サーバーに完全に対応した、XMLに基づくプログラミングモデルで、迅速なアプリケーション開発ツール。Visual Studio.NETにより、企業のデータ センターやインターネットを介して、スタンドアローンのマシンを結び、高度分散型・プログラム可能なサービスを容易に提供することができる。

 

 

デベロッパー、パートナー、顧客にもたらされる新たな機会

 .NETにより、インターネット革命は次の段階に入り、あふれている情報やリソースが実際に機能するようになる。この規模の変化には収益を大きく伸ばす可能性がある。従来のパートナーが新たなデバイスを利用してアプリケーションを拡張することができ、顧客がWebサービスをプログラム的に改良して顧客サービスの向上および収益の増加につなげることができる。また、創造性に富むアイデアを持つ新たなタイプのパートナーが自動・双方向的なインターネット サービスを促進させることができる。

 この新たなコンピューター時代においては、人々が個々のデバイスでコミュニケーションを図るのではなく、ソフトウェアがひとりひとりの嗜好に合わせて人々の役に立つようになる。